一度は聞いたことがあるのではないしょうか。
「農業は衰退してきている。」
いろんなメディアでも取り上げられているため、一度は聞いたことがあると思います。
では、農業が衰退している理由はなんなのでしょうか。
大きな原因は少子高齢化です。
農業は他の業界に比べても若者の参入が低いことに比べてこれまで従事していた人たちの年齢が高齢化してきているために従事している表を年齢で見ると見事な逆三角形になっています。
この農業業界の衰退が何を意味しているのか。
一つに農業に魅力を感じていない。
昔と比較しても収入という面で農業は非常に厳しいのが現実です。
自然と家畜を相手にしているため安定した収入が難しいこと、3Kといった「きつい・汚い・危険」などが若者としてもイメージがあるためなかなか就農しようという人が少ないのが現実です。
そこで農林水産省では「畜産クラスター」として畜産農家をはじめとした地域の関係事業者が連携・集結し地域ぐるみで高収益型の畜産を実現するための体制を展開しています。
この記事ではこの「畜産クラスター」とは何かについて紹介していきます。
国が農業での高収益型を実現させるためにどのような取り組みをしているのか、これによって農家や関係事業者にとってメリットがどんなことがあるのかについて少しでも知って知っていただければと思います。
ぜひ最後まで一読していただければと思います。
畜産クラスターとは
そもそも畜産クラスターってなに?って感じだと思います。
農林水産省では、畜産農家をはじめとした地域の関係事業者が連携・集結し地域ぐるみで高収益型の畜産を実現するための体制とされています。
参考、引用元:農林水産省https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/tikusan_sogo/l_cluster.html
もう少し具体的に説明していきます。
日本の畜産業界において、特定の地域や地域内の企業・農家・関連産業等が連携し、畜産に関する生産・加工・販売などの連続の活動を共同で行う組織やネットワークのことです。
この組織とネットワークを構築することで農業での収入を高収益型となるように目指していくことを「畜産クラスター」といっています。
つまり農業の収入が低いことによる問題を解決するためと農業地域を活性化させるための取り組みということです。
畜産クラスターの形成
畜産クラスターを形成していくために4つの特徴があります。
1、地理的な蓄積:
畜産業者や関連企業が物理的な距離を縮めることで情報共有や物流の効率化を図ります。
2、技術・知識の共有
クラスター内の畜産産業者や研究機関、大学等が連携し、畜産技術やノウハウの共有、研究開発の推進を行います。
3、共同の課題の解決
クラスター内の畜産産業者や関連企業が共通の課題や問題を解決し、情報や経験を共有しながら解決策を見つけます。
4、市場開拓と販売路の拡大
クラスター内の企業や農家が連携して、市場調査やマーケティング活動を行い、国内の需要を取り込むための販売路の拡大を図ります。
このように畜産クラスターを形成していくためには畜産産業の持続的な発展と競争力の向上を目指し、情報共有や技術開発、市場開拓などの面での協力や連携、畜産業界全体の発展を促進することを目的としています。
畜産クラスターは、地域の経済発展や雇用創出にも取り組むことが期待されており、生産者や関連事業者の競争力向上や持続可能な畜産産業の確立に向けた取り組みとして注目されています。
畜産クラスターについて気になること
ここまでは畜産クラスターはどんな物かについて紹介してきました。
ここからはじゃあ畜産クラスターに参加するためにはどうすればいいの?など疑問があると思います。
そこで気になるである疑問についていくつか紹介していきたいとも思います。
1、畜産クラスターには参加するためにはどうすればいいのか
2、畜産クラスターのメリットは何か
3、畜産クラスターで取り組んでいることは何か
4、畜産クラスターが地域に与える影響はどのようなものか
5、畜産クラスターを導入するにあたって必要な費用はどの程度か
大きくこの5つについて説明していきたいと思います。
畜産クラスターに参加するにはどうすればいいのか?
畜産クラスターに参加するには、まずは自分が所属する地域の畜産クラスターについて調べてみることをおすすめします。
また、畜産クラスターに参加するためには、地域の畜産関連団体や自治体などに問い合わせて、参加方法や条件について確認することが必要です。
畜産クラスターに参加することで、生産者同士の交流や情報共有ができるほか、技術の向上や販路開拓などにもつながることが期待できます。
畜産クラスターのメリットは何か?
畜産クラスターのメリットはいくつかあります。
まず第一に、畜産クラスターは、畜産業者同士が協力して生産や販売を行うことで、生産性や効率性が向上することが期待できます。
また、畜産クラスターは、共同で資材や設備を購入することで、コストの削減が可能になります。
畜産クラスターは、情報共有や技術の研究開発など、業界全体の発展に貢献することができます。
畜産クラスターで取り組んでいることは何か?
畜産クラスターは、畜産業界において生産性の向上や競争力の強化を目指して、地域の畜産関連企業や団体が連携して取り組んでいる取り組みです。
畜産クラスターでは、以下のような取り組みが行われています。
1、品質の向上
畜産物の品質向上を目指して、飼料や飼育管理などの改善に取り組んでいます。
2、生産性の向上
効率的な生産体制の確立や、新たな技術の導入によって、生産性の向上を図っています。
3、海外展開
海外市場への進出や、輸出促進に向けた取り組みも行われています。
畜産クラスターは、地域の畜産業者や関連企業が協力して取り組むことで、より持続的な畜産業の発展を目指しています。
畜産クラスターが地域に与える影響はどのようなものですか?
畜産クラスターは、畜産業に関連する企業が集積している地域のことを指します。畜産クラスターが地域に与える影響は、以下のようなものがあります。
1、経済効果
畜産クラスターは、生産性の向上やコスト削減などの経済効果をもたらします。また、クラスター内の企業間での技術や情報の共有により、業界全体の発展につながります。
2、雇用
畜産クラスターは、地域の雇用創出につながります。畜産業に関連する企業が集積することで、労働力需要が高まります。
3、環境
畜産クラスターは、環境にも影響を与えます。畜産業は、排泄物や飼料の生産に伴い、大量の廃棄物を生み出します。しかし、クラスター内での廃棄物処理などの取り組みにより、環境負荷を低減することができます。
4、地域社会
畜産クラスターは、地域社会にも影響を与えます。クラスター内の企業が地域社会との協力関係を築くことで、地域の発展に貢献することができます。
このようなことが畜産クラスターが地域に与える影響として考えられています。
5、畜産クラスターを導入するにあたって必要な費用はどの程度か
畜産クラスターを導入するにあたって必要な費用は、規模や地域によって異なります。
具体的な費用については、地域の畜産クラスター支援機関や関連する団体に問い合わせる負必要があります。
また、導入にあたっては、設備や機器の購入や改修、専門家のアドバイスや支援を受けることも必要です。これらの費用は、計画の内容によって異なりますので、具体的な内容については、専門家や支援機関に確認する必要があります。
畜産クラスター導入において、注意すべき点
ここまでは畜産クラスターについてどういう物かと気になる点についてまとめて紹介してきました。
最後に畜産クラスターを導入する際に注意するべき点について説明していきます。
大きく分けて4つの点に注意する必要があります。
1、地域の特性を把握すること
2、生産者と関係者との協力関係を築くこと
3、技術やノウハウをもった専門家に支援が必要
4、品質、衛生管理に十分注意すること
それではこれらについて説明していきます。
1、地域の特性を把握すること
畜産クラスターを導入する地域の気候や土地の特性、畜産に関する歴史や文化などを調査し、それに基づいた計画を立てる必要があります。
どんな内容でも畜産クラスターとして成り立つわけではなくこのそれぞれの地域に合わせた特性や歴史に文化が明確になっていないと何を収益として協力し生産していくのかに非常に困ることになるためです。
2、生産者や関係者との協力関係を築くこと
畜産クラスターは、単なる生産者の集まりではなく、生産者、加工業者、流通業者、研究機関、行政機関などが協力して成り立つものです。
つまり複数の関係者によって組織を構築していくネットワークのためそれぞれの協力関係がなくてはきちんとした組織として成り立たせることはできません。
イメージとしてはわかりやすいのは会社だと思います。
会社はいくつもの部署がうまく協力関係をとっているために仕事が成り立ちます。
畜産クラスターも大きな枠で捉えた時に会社と同じようにいくつもの会社(部署)によって成り立たせることができます。
3、技術やノウハウを持った専門家の支援が必要
畜産クラスターは、生産者や関係者が協力して取り組むものであり、その運営には専門的な知識や技術が必要です。
農家やその関係者だけではそれぞれの運営方法が違うため各業者を運営するのに取りまとめたりするための知識が必要になります。
そのため、こういった専門的な人や技術をもっている人を導入する必要性があります。
4、品質管理や衛生管理に十分な注意が必要すること
畜産クラスターで生産された製品は、消費者に直接届く可能性があるため、品質管理や衛生管理には十分な注意が必要です。
基本的なことではありますが、大きな組織として構築しているためどこかが品質や衛生面で不備があると畜産クラスターを構築している他の企業にも大きな被害がでます。
そのため品質、衛生管理については十分に注意しておこなう必要性があります。
まとめ
畜産クラスターでは農業の低収入を解決することや地域の発展に繋がる非常にメリットが大きい取り組みの一つです。
農業業界がこれ以上衰退していくと日本はさらに輸入に頼る必要性がでてくるため、食料自給率が向上することはありません。
食料自給率の向上は国としても急務と考えている内容であるため、これからも色々な政策で農業を発展させていかなくてはいけません。
畜産クラスターの取り組みは今後の農業業界でも非常に大事な取り組みになってきます。
ぜひ農家で畜産クラスターに興味がある農家は畜産関連団体や自治体などに問い合わせてみてください。
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