年中美味しく食べられるみかんですが、実は甘くて美味しいみかんの見分け方があるってご存知でしたでしょうか?
そこで今回はその見分け方についてご紹介いたします。
美味しいみかんの見分け方
甘いみかんの見分け方ですが、実はポイントはたったの3つだけなのです。
その3つとは、
①色とサイズ
緑色は新鮮なイメージがありますが、みかんのヘタは茶色っぽいものを選ぶのが正解です。
早く収穫したものは緑色、木になった状態で完熟すると茶色になる傾向があるからです。
また、ヘタのサイズは小さいものがベターです。
大きなヘタは水分の供給が多く、早く成長するため、大味になりがちです。
じっくりと成長したものほど、酸が抜けて糖分が多くなります。
②皮のハリとツヤ、きめの細かさ
皮はハリとツヤがいいもの、やわらかくしっとりとしたものがベストです。
パリパリとした皮のものは、果汁が少なかったり、味が淡白だったりします。
皮表面の小さなブツブツも重要です。
これは油の細胞なので、小さく密度が濃いものほどしっかり養分を取っていて、果肉の成長がいい証拠です。
③扁平型で色の濃いみかん
扁平型(楕円形)は養分が多く木が元気なときに花が咲いてできたみかんで、遅咲きのものは丸型が多くなります。
そのため、扁平型は酸味が少なく、糖分が多い傾向になります。
ですので色は全体的に濃いオレンジのものを選びましょう。
成熟とともに始まる色の変化はヘタ周りから起こるので、この部分がオレンジ色でないと糖分がまだ十分にまわりきっていないと判断できます。
このように外見だけで十分に判断できますので、スーパーなどで購入する際は、この3つに気をつけて購入してみてください。
きっと美味しいみかんが手に入ります。
みかんの旬
次にみかんの旬についてご説明します。
みかん農家さんのおかげで年中食べられるみかんですが、きちんと旬というものは存在します。
よくこたつとみかんがセットで描かれるのを見かけるかと思いますが、まさにそのイラストこそが正解で、旬は冬になります。
もちろん、みかんの旬の時期は品種によって異なりますが、早いものでは9月頃、遅いものでは3月頃まで出回ります。
みかんが出回り始める9月頃はまだ暑さも残りますが、それ以降は秋から冬へと移り変わり3月まで寒い時期が続きます。
つまりみかんが多く出回るのは冬であり、その時期が旬の季節であるといえるでしょう。
ちなみに、みかんはハウス栽培によっても生産されています。
ハウスみかんは別名「温室みかん」とも呼ばれ、温度や水分をコントロールして育てられるみかんです。
そのため通常のみかんの旬よりも早い時期、春〜夏にかけて収穫され市場に出回ります。
みかんの種類
ここまで、みかん一括りでいってきましたが、実は日本では約80種類の柑橘類が生産されています。
※みかんとは皮がむきやすい小型の柑橘(かんきつ)類の総称です。
ちなみに、世界的にはおよそ1,000種類もの柑橘類の仲間が存在しているといわれていて、よほどのマニアでないと、全てを把握するのは難しいと思います。
その中でも今回は、日本で「みかん」といえば、一般的には「温州(うんしゅう)みかん」のことを指すことが多いので温州みかんについて、ピックアップしていこうと思っています。
温州みかん
温州みかんは、皮が薄くてむきやすく、食べやすいことが特徴です。
「ビタミンC」が豊富なため、肌荒れや風邪予防に効果があるといわれています。
また、果肉の袋には便秘改善の作用がある「ペクチン」も多く含まれています。
さらに袋や白い筋には、フラボノイドの一種「へスペジリン」が含まれており、高血圧や動脈硬化を予防する効果があるといわれています。
最近の栄養疫学研究によると、みかんの色素である「βークリプトキサンチン」には体内でビタミンAと同様の働きがあり、がん予防の可能性が期待されています。
また、骨粗しょう症、リウマチ、糖尿病、動脈硬化になる危険性を下げるという報告もあります。
読み方は「おんしゅう」ではなく「うんしゅう」と読みます。
温州みかんの「温州」は、中国の温州地方が名前の由来と言われています。
温州はみかんの産地として名高く、そこのみかんのように素晴らしいというのが、温州みかんの名前の由来とされています。
また、温州みかんは日本で生まれたみかんと言われており、誕生はなんと江戸時代になります。
当時、種があったみかんが突然変異で種無しとなり、温州ミカンと名付けられたそうです。
発祥は鹿児島県の長島地区とされ、欧米などでは薩摩地方にちなんで「サツマオレンジ」「サツママンダリン」と呼ばれています。
その後、明治時代以降日本各地で作られるようになり、紀州・有田・愛媛などでブランドみかんが生まれていくことになります。
温州みかんの生産量は和歌山県が1番多く、その次に静岡県、愛媛県と続きます。
また温州みかんは、収穫時期によって以下の通り、4種類とハウスみかんに分けられます。
・極早生 :9月~10月下旬頃に収穫
収穫時期が1番早い極早生は果皮に青みが残っています。
早い収穫だからこそ果肉がジューシーで酸味がやや強めで、甘酸っぱい味わいが好きな人におすすめです。
また、じょうのう膜(袋)が比較的薄いので食べやすいのも魅力となります。
極早生で有名な品種は宮本早生、日南1号、岩崎早生、崎久保早生、上野早生などがあります。
・早生 :10月下旬~12月下旬頃に収穫
早生の果皮はほぼオレンジ色になります。
少し早めに収穫することで、甘味とほどよい酸味が両立した美味しさになります。
早生で有名な品種は宮川早生、興津早生などがあります。
・中生:11月下旬~12月下旬頃に収穫
1番スタンダードな種類が中生で濃いオレンジ色の果皮に大きな扁球形をしています。
じょうのう膜は早生種に比べると少し厚いですが、酸味が少なめで甘味が強いです。
中生で有名な品種は南柑20号、向山温州、藤中温州などがあります。
・晩生 :1月以降に収穫
晩生はシーズンの最後に出荷されるみかんです。
基本的には1か月ほど貯蔵して、甘味を強めてから出荷されます。
晩生で有名な品種は青島温州、十万温州、寿太郎温州などがあります。
・ハウスみかん
ハウスみかんは温室栽培されるみかんの総称で、5~9月頃に市場に出回ります。
果皮はきれいなオレンジ色でやや小ぶり、甘味が強くて食べやすいです。
ハウスみかんがあることでみかんを1年中楽しむことができます。
みかんの保存方法
美味しいみかんの選び方や旬などがわかったところで、次は1番肝心な保存方法について記載したいと思います。
長持ちさせる3つのコツ
① 8~10℃の温度で保存する
おいしさをキープしたまま日持ちさせるためにも、約8〜10℃の温度下で保存しましょう。
みかんは温度と湿度が高いところが苦手なので、冬であれば風通しのよい場所で常温保存、それ以外の季節であれば冷蔵保存や冷凍保存を活用すると良いです。
冷蔵保存の場合、3週間ほど保存が可能になります。
冷蔵室だとやや温度が低すぎるため、より高い温度に設定されている「野菜室」で保存しましょう。
さらに長い期間保存したいという場合には、1ヶ月ほど日持ちさせることができる「冷凍保存」がおすすめです。
②傷んでいるみかんはあらかじめ取り除く
カビが生えていたり、皮が柔らかくなりすぎていたりと、明らかにほかのみかんと異なる見た目をしたものは、事前に廃棄しておきましょう。
傷んだみかんを取り除かずに保存すると、傷みがほかのみかんに移り、全体的に腐りやすくなってしまいます。
③ヘタを下向きにして置く
みかんは柔らかくデリケートですが、ヘタの部分は比較的かたくて丈夫です。
そのため、みかんを保存するときはヘタを下にして置くのがおすすめです。
重さによる負担がかかりにくくなり、傷み予防になります。
次に本題の保存方法についてです。
パターンごとに紹介していきます。
①少量を常温保存する場合
保存期間→約2週間
●手順●
1.傷んだみかんは避けておく
2.カゴなど(湿気のこもらない容器)を用意し、新聞紙を敷く
3.みかんを乗せ、風通しのよい場所で保存する
②大量に常温保存する場合
保存期間→約2週間
●手順●
1.傷んだみかんは避けておく
2. 空の段ボールを風通しのよい場所で乾かす(湿気を取り除くため)
3. 段ボールの底に新聞紙を敷き、みかんを並べる(積み重ねる場合は、2段までを目安に)
4. 段ボールのフタは開けたまま、風通しのよい場所で保管する
③冷蔵庫で保存する場合
保存期間→約3週間
●手順●
1. みかんを1個ずつキッチンペーパーで包む
2. ポリ袋にまとめて入れて軽く口を閉じたら、野菜室で保存する
④冷凍庫で保存する場合
保存期間→約1ヶ月
●手順●
1. トレイにラップを敷き、みかんを並べて凍らせる
※このとき金属トレイを使うと早く凍らせることができます
2. 凍ったら冷凍庫から取り出し、ボウルに張った水にみかんを1個ずつくぐらせる
3. 再びトレイの上に並べて冷凍する(保存中の乾燥を防ぐため)
4. 再冷凍できたら冷凍用保存袋に移し替え、冷凍庫で保存する
解凍方法:
凍ったまま食べるか、冷蔵庫で自然解凍してから食べることをおすすめします。
このように常温・冷蔵・冷凍保存を使い分ければ、みかんを最後まで美味しく食べきることができます。
みかんの量や季節に合わせて、保存方法を選びましょう。
まとめ
みかんについて知識を少しでも得ることができましたでしょうか?
美味しいみかんの見分け方を覚えて、ぜひ美味しいみかんを手に入れてください。
みかんは栄養素ももちろんありますが、様々な病気の予防にもなります。
手軽に食べることができますので、食卓に取り入れてみてくださいね。
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