農作物を栽培うえで大切な要素は「水・空気・光・温度・養分」
栽培方法を決めるには「場所」「栽培時期」「品種」や「道具」などが大切になってきます。
二つに共通しているものがあります。
何だと思いますか?
そうです!
”水”です。
水なしで農作物を育てることはできません。
むしろ生命体すべてに共通しているのが水です。
とは言っても一口に”水”とは「水道水」「川」「ダム」「わき水」など水質は日本国内でも場所によって大きく異なります。
水はものを溶かす能力があるため、常に何かが溶けこんでおり解りやすくpH(ペーハー)や硬度で表しています。
今回は水の影響・種類・農作物に適した水についてご紹介します。
水の種類
”水”の種類には「自然界」と「人工的」と2つあります。
自然界では「海洋深層水」「川」「わき水」
人工的には「水道水」「ミネラルウォーター」「電解水素水(アルカリイオン水)」「炭酸水」「精製水」「RO水」などがあります。
また飲食水を選ぶ基準に「酸性」・「中性」・「アルカリ性」と「軟水」「硬水」があります。
ここではそれぞれ異なる特徴を持っているため紹介します。
「酸性」・「中性」・「アルカリ性」
水の中に水素イオンがどれだけ含まれているかを示す数値pHがあります。(ペーハー「ピーエイチ」とも言われる)
pH1は強い酸性・pH7は中性・pH14が強いアルカリ性
「軟水」「硬水」
水の硬度は「水1リットル当たりにマグネシウムとカルシウムが何mg含まれているか」で表されます。
WHOと日本では表記の基準に違いはあります。
日本の水道水は硬度が100ppm以下と、世界の中でも超軟水です。
その理由は土壌に含まれているカルシウムなどのミネラル成分の量が少ないからです。
日本列島には数多くの火山があり、これらが昔から時々噴火を起こし土地の傾斜が急で河川も短いことや、雨が多い国なため地中にある水が押し出されてしまい、地中での水の滞留時間が短いからです。
硬度が比較的高い地域もあります!沖縄県です!
沖縄はサンゴ礁の島であり、カルシウムが主要成分の琉球石灰岩地層です。
そのため地中を流れる水そのものが本土とは違います。
(※現在は地域によって硬度の差があります。)
私たち日本人には硬度の低い水の方が体に負担もなく、普段飲んでいる水道水や国産のミネラルウォーター、和食には軟水が適しています。
軟水 | 中程度の軟水 | 硬水 | 非常な硬水 | |
WHO(世界保健機関) | 0~60mg/l 未満 | 60~120mg/l 未満 | 120~180mg/l 未満 | 180mg/l以上 |
日本 | 0~100mg/l | 101~300mg/l | 301mg/l以上 |
軟水:あっさりとしてクセがない
硬水:コクがありクセのある味となります
水道水
日本の水道水は厳しい衛生基準が設けられているため世界的に見ても非常に安全性が高いことで知られており飲み水としても栽培用としても使用できます。
ミネラルウォーター
ミネラルウォーターは、マグネシウムやカリウムを多く含んだ「硬水」です。
日本人に不足しがちなカルシウムやマグネシウムを多く含むことから、美容のために取り入れる人が増えていますが、飲み慣れないことからお腹を下す方もいます。
代表的な商品がevian(エビアン)やContrex(コントレックス)になります。
電解水素水
電解水素水(アルカリイオン水)とは、水を電気分解した際に陽極側と陰極側の2つに分けられ、陰極側で生成される”水素”を含んだアルカリ性(pH9〜10)の水のことです。
また、マグネシウムイオンやカルシウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンといったミネラル類(プラスイオン)が増加傾向にあります。
この電解水素水の特徴は「抽出力(引き出す力)」と「還元力(酸化を防ぐ力)」は、他の水と比べて群を抜いていることです。
陽極側:弱酸性水が生成
陰極側:水素・水酸化物イオンが生成
マグネシウムイオン・カルシウムイオン・ナトリウムイオン・カリウムイオンなどのミネラル類が増加
水が農作物に与える影響
”水”は色々な場所・条件で影響を変化させます。
今回は農作物の成長を人間の体に例えて紹介します。
エネルギーをつくる水
光合成は葉で行われ太陽光に反応し水を分解し、酸素・電子・水素イオンを作ります。
その後、電子と水素イオンを使い二酸化炭素からデンプンを作ります
農作物と人間は体内で必要な栄養素は違えど「エネルギー」を作る役割は同じようです。
栄養分を運ぶ水
光合成により作りだされた栄養分と根から取り入れたミネラルを、農作物の体の隅々まで運びます。
人間で例えると「血液」の役割と似ていますね。
温度を調節する水
水は温度が変わりにくい物質です。
人間が汗をかいたり尿を出したりする行為と同じように農作物にも「蒸散」があります。
「蒸散」とは、植物が根から吸い上げた水分を光合成によって野菜の葉が酸素を吐き出すとき、余分に吸い上げた水と水蒸気で外に吐き出します。
「温度調整」の役割は人間と同じようですね。
見た目や食感を良くする水
農作物の細胞内の水分量が少なくなると細胞はしぼんで柔らかくなり葉も実も、しおれます。
反対に細胞内にたくさん水分があると見た目にハリがあり、みずみずしく食感も良く、味も濃く感じられます。
それは水によって実の中にまで栄養分が行き届き、保持する空間(水分)があるからです。
人間で例えると「皮膚」の役割と似ていますね。
農作物にはどの水がいいの?
日本は基本的にどの地域も軟水であり土壌中のミネラル分が少く世界的に見ても農作物を育てるのには比較的恵まれているのかもしれません。
しかし水の種類が多数あることから「どの水を使えば農作物がよく育つの?」と思う方も少なくはないのでしょうか。
ここでは「農作物を栽培するならば」目線で水の種類ごとに紹介します
水道水
日本の水道水は厳しい衛生基準が設けられているため「カルキ」と言われる塩素が入っています。
この「カルキ」が一定の条件を満たしたときに農作物に悪い影響を与えることがあります。
特に水耕栽培で”根が多い野菜”を育てる場合には、悪影響を受ける可能性が上がります。
その理由はカルキがバクテリアを殺してしまい培養液を毒素に変える手助けをしてしまうことで多くの根を枯らしてしまうからです。
水道水を使う場合は太陽光に6時間ほど当てるなどして塩素を除去してから使用するのもオススメです。
ミネラルウォーター
マグネシウムやカリウムは野菜の生育にとって必須のものではありますが、ミネラルウォーターの場合マグネシウムやカリウムの元素を多く含んだ「硬水」であるため、浸透圧の関係で栄養素を吸収する植物にとって、栄養を吸い上げにくい水となります。
大抵の野菜は「硬水」にもうまく対応しますが、理想的ではないようです。
ミネラルを多く含む井戸水やミネラルウォーターなどは栄養にもなりますが、過剰接種は働きを疎外する原因にもなるのでバランスが必要です。
電解水素水
電解水素水の1つめの特徴である「抽出力(引き出す力)」が野菜との親和性が高く、土の中の養分を効果的にしてくれます。
2つめの特徴である「還元力(酸化を防ぐ力)」が野菜の体内にある酸素に対して抗酸化作用を発揮し、野菜の活動を活性化してくれます。
このことから近年では農業分野でも一目をおかれています。
お米研ぎ汁
お米のとぎ汁に栄養は含まれていますが、カビや雑菌が増えることや悪臭がするリスクが高まります。
広い畑なら風通しも良く悪影響は少ないようです。
雨水
雨水は不純物を含まない水であり、水やりに最適だと言えます。
また昔から「雷が多いと豊作」という伝承があります。そのことから雷のことを
【稲妻(イナヅマ)】=稲の妻
と言われるようになったそうです。
先人は自然と共に生き、体感で統計を感じていたので言い伝えではなく科学的にも説明ができます。
植物の成長に必要な肥料の3要素は、窒素・リン酸・カリウムです。
雷雨には通常の雨水と比較して窒素が約1.5倍含まれており、空気中の酸素や窒素がイオン化されることで大地に天然の肥料が作られることで成長に良い影響を与えています。
雨水を貯めるための、ため池やタンクは先人の知恵と苦労の技術ですね。
経血
排泄を外でそのまましていた時代、女性の生理中は経血も一緒に出していた。その周りの植物の成長が良かった事から「経血は栄養が豊富」とされ庭や畑にまいていたそうです。
「え!!汚い」と思う方も多いと思いますが、ドイツのベルリンを拠点に活動するアーティストDaniela Krueはが自身の生理の血を使用した“経血マスク”の写真をSNSで投稿しフォロワーたちに語りかけの中に「肥料として植物に与えている」や布ナプキンの方はバケツに布ナプキンを入れて手洗いするため、捨てる先を花壇や家庭菜園にしている声も聞いた事があります。
水は言葉を記憶する
”水”には「言葉を記憶する」というのがあるのをご存知でしょうか?
フランスの科学者モンタニエ博士の実験や日本では「水からの伝言」の著者である江本勝氏が行った実験により水に「ありがとう」と言うと水の結晶は美しい形になり、「バカヤロー」と言うと水の結晶は歪んだ形に変わるというものです。
反対意見もありますが、農作物も動物も私たち人間も体内の70%以上は水分で成り立っているので全てを否定は出来ないのかもしれません。
どの種類の水を使う際でも優しい言葉かけをしながら水まきするのも大切なことかもしれません。
まとめ
極酸性でも極アルカリ性でも農作物・動物・人間は病気になってしまいます。
水の役目とは中性に戻すこと
そのためには農作物が今どういう状態なのかによって水の性質も変えていく必要性があるようです。
日本の土地に適した雨がふり、土俵ができ、農作物ができる。そして私たち人間は自然の恵みの穏健に感謝して硬水に適した和食を作り食べる事で健康を保つ事ができます。
人間は3歳までに育った土地の水・農作物が体に合うと言われています。
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